> IP・設計部会 2007バックナンバー
2007年: IP・設計委員会・レポート
■過去にご講演いただきました講師の方の連絡先はこちらより参照いただけます。(会員のみ)
開催日時 題 目 ・ 講 師 会 場
第39回 1月19日
18:00-20:00
「移動通信システムの今後の展開と
                デバイス技術革新への期待」 
                                 
詳細
日本教育会館
第40回 2月27日
18:00-20:00
「エリクソンにおける
   第三世代及び次世代携帯電話システムへの取組み」 
                                 
詳細
日本教育会館
第41回 4月17日
18:00-20:00 
「ユビキタスブロードバンド時代のホームネットワーク」
                                      詳細
日本教育会館
第42回 5月14日
18:00-20:00 
「国内外の太陽光発電市場最新情報」
                                     詳細
日本教育会館
第43回 6月12日
18:00-20:00 
「RFID活用の現状と展望」
                                     詳細
日本教育会館
第44回 7月30日
18:00-20:00 
「最新MEMSマーケット&メーカー動向」
「松下電工におけるMEMS技術への取り組み」
    詳細
日本教育会館
第45回 8月28日
18:00-20:00 
「大日本印刷のMEMSファンドリサービスとシリコン加工例」
                           詳細
日本教育会館
第46回 10月16日
18:00-20:00 
「MEMSセンサの携帯・ゲーム・コントローラへの応用」
                           詳細
日本教育会館
第47回 11月20日
18:00-20:00 
「ATDF 世界初のR&Dファウンドリー ビジネスモデル
            と開発事例」
               詳細
日本教育会館

IP・設計部会レポート
 2007.1.19           第39回 IP・設計委員会       JASVA通信69号に掲載

「移動通信システムの今後の展開とデバイス技術革新への期待」


講師: 大橋 正良氏 KDDI(株) 技術統轄本部技術開発本部 開発推進部長 


第39回IP・設計委員セミナーが平成19年1月19日、
東京都千代田区一ツ橋の日本教育会館において開かれ
ました。

講師はKDDI(株)技術開発本部開発推進部長の大橋正良氏で「移動通信システムの今後の展開とデバイス技術革新への期待」というテーマで話をされました。

  
      講演内容の目次を以下に示します。:

KDDI 大橋 正良氏
     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     --大橋 正良 氏 略歴--
    ・1983年 京都大学大学院工学研究科電子工学専攻修士課程修了。
             同年国際電信電話株式会社(現KDDI株式会社)入社。
             以来、同研究所にて、移動衛星通信システム、誤り訂正符号化、セキュリティの研究 開発に従事。
             その後、PHSシステムの実用化、IMT-2000関連技術の研究開発、標準化に従事。
      ・2002年より、KDDI 技術開発本部開発推進部にてユビキタスネットワーク/RFID関連の 技術開発に従事。
             RFIDタグリーダ搭載携帯電話を用いた各種実証実験を企画・実施するとともに、総務省プロジェクト
             “ユビキタスネットワーク制御・管理技術(Ubilaプロジェクト)”において将来技術を 開発中。
    ・現在、KDDI株式会社 技術統轄本部 技術開発本部 開発推進部 部長。
              IEEE、電子情報通信学会、情報処理学会、情報理論とその応用学会会員。工学博士。
     
                           

  
  1.携帯電話の市場動向:
   日本における携帯電話市場の成長、ケータイ加入者とシェア、モバイルデータ通信速度高速化の歴史、日本
   のモバイル通信市場のマイクロトレンド、KDDI「ケータイ」事業、EV−DOR Rev.A(1×Evolution Data Only
    Revision A)とBCMCS(BroadCast/MultiCast Services)
  
  2.auケータイサービスの最新状況:
   音楽ビジネスの新たな展開、GPSケータイの稼働数推移、位置情報の活用、安心ナビ、安心・安全の機能拡充
  、音声認識技術とロードサイドサービス検索応用、ケータイのメディア化、ワンセグ対応端末例、携帯電話向け
   本格ブログサービス「DUOBLOG」、検索・認識技術の発展
   
  3.携帯端末の基本構成要素:
   現在の移動機搭載デバイス、auのケータイ・ブロードバンド展開、携帯端末のアーキテクチャ、メインCPUの
   変遷、アプリケーションプロセッサーに求められる機能、メモリに求められる機能、主に使用するメモリ、外部
   メモリ、UIM(User Identity Module)カード、ディスプレイ、画像・グラフィック処理、携帯向けの特徴的なデバ
   イス、カメラ用センサ、ソフトウエアプラットフォームの統合化、次世代電池の開発、ケータイのパーソナル
   ゲートウエイ化、非接触IC付ケータイ、RFID(電子タグ)リーダ携帯電話端末、デバイス革新への期待、
   
  4.KDDIの将来システム構想(ウルトラ3G):
   3Gシステムの進化、ウルトラ3Gコンセプト、ウルトラ3GによるFMBC(Fixed Mobile Broadcast Convergence)
   の推進、FMBC次世代ネットワーク構想、MMD(Multi Media Domain)概要、MMDの普及・統合IP網へ
  
   以上、携帯電話に関する幅広い知見が得られ、KDDI事業戦略を知ることの出来た講演でした。
                        
本ページtop
     
 2007.2.27           第40回 IP・設計委員会        JASVA通信71号に掲載

「エリクソンにおける
第三世代及び次世代携帯電話システムへの取組み」



講師: 藤岡 雅宣氏 日本エリクソン(株) 取締役、
          エリクソン北東アジア チーフ・テクノロジー・オフィサー


 移動通信インフラでは世界シェアNo.1のエリクソンによる
携帯電話に関する講演が、平成19年2月27日日本教育会館
(東京都千代田区一ツ橋)において開かれました。

 講師は、日本エリクソン(株)取締役エリクソン北東アジCTO
の藤岡雅宣氏で、「エリクソンにおける第三世代及び次世代
携帯電話システムへの取り組み」というテーマで、お話して頂きました。

  
      その概略は次の通りです。

日本エリクソン 藤岡氏
     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    --藤岡 雅宣 氏 略歴--
    ・1976年 阪大工・電子卒、
    ・1978年 同修士了後KDD入社、研究所において、ISDN、IN等の研究を担当。
    ・1993年からは、KDD交換部にて、新規サービス用システムの開発、国際電話用INシステムの開発を担当。
    ・1998年 日本エリクソン入社、IMT2000プロダクト・マネージメント部長、マーケットサポート・先端技術部長として、
           IMT2000プロジェクトを統括。その後事業開発本部長として新規事業の開拓、新技術分野に関わる研究開発
           を総括。
    ・2005年2月よりエリクソン北東アジアCTO。
    ・2006年4月、日本エリクソン取締役拝命。
    
    ※1997年 阪大工学博士。 著書に「ISDN絵とき読本」(共著)、 「ワイヤレス・ブロードバンド教科書」(共著) 
       

  
    先ず、移動通信50年の歴史として、1956年スウェーデンによるMTA発表から2001年日本のW-CDMA発表
  に至る歴史が紹介されました。 さらに携帯電話発展の歴史を振り返り、
       1980年〜第一世代(アナログ)、
       1990年〜第二世代(デジタル)2.5世代パケット機能(数十kbps)、
       2000年〜第三世代384kb/s〜2Mb/sという流れが示され、
   次いで、移動通信インフラのマーケットシェアが1位エリクソン(26.2%)、2位ノキアシーメンス(23.7%)、
   3位アルカテルルーセント(14.9%)等々となっている現状が紹介されました。
   
   現在、移動通信加入者数は中国、インド、東欧、中東アフリカで伸びており、世界の合計数は2006年約25億人
   と推定され、2011年には約45億人に達するとの予測が示されました。
   
    そして、モバイルビジネスの世界的動向として、第三世代の急速な普及、すなわち高ビットレート化の進行、
   音声中心からデータ(写真、動画音楽)への対応化(日本は既にデータ通信が音声より多くなっており、
   世界で特殊な存在)、アプリケーションの多様化、モバイルのインターネット化、端末機能拡大・融合
   (Convergence)の進行などが紹介されました。 融合の具体的内容は、固定電話と移動電話の融合、放送
   との融合などです。
   
    モバイルネットワーク発展の方向性として、画像、ファイル、音楽等の大量データ転送、個人利用の進行と
   企業利用の増大、端末の進化(デバイス技術、OS、オープン化)、フラットレート、固定・無線LAN/WiMAXとの
   対抗、他無線アクセスとの共存、アクセス非依存、ユビキタス等が示されました。
   
    また、モバイルネットワーク進化への期待として、高いスループット、高いビットレート、遅延の低減、より良い
   品質、多様なアプリ、高いセキュリティ、無線LAN/WiMAX等とのシームレスな移動、無線リソースの有効利用
   等が挙げられました。
    ここで、エリクソンの商用HSPA(High Speed Packet Access)ネットワークについて、PC組込みHSPA
   モジュールの開発、携帯電話のチップセットの進化、eHSPA、MIMOテストべッド、LTEテストべッド等々が紹介
   されました。
   
    また、家庭設定用基地局(Femto)では、家庭の基地局からADSL/FTTH等を経由して携帯電話網へ接続
   すること、家族のみに利用限定し特別安い課金方式が適用が可能になることなどが紹介されました。
    さらに、安価な基地局、簡単な工事、IPsecの利用による安全性確保、遠隔監視等のメリットがあるとのこと
   です。 
   
    今後、移動通信ネットワークのオールIP化が進むとの見通しが述べられ、経済性の追求、多様なマルチ
   メディアサービス、固定網との融合等の意義があると指摘されました。ただし、課題としては、無線アクセス、
   無線ネットワークによる遅延、IP使用による遅延ゆらぎ、無線区間における伝送エラーに起因する音声の
   ひずみ等の品質上の問題、無線インタフェース上で専用チャネルか共用チャネルを利用するかなどの方式上
   の問題、携帯電話番号の扱い(050、080/090、060との関係)と番号ポータビリティ、既存の携帯電話機能の
   提供(緊急呼対応:110番等)などの制度上の問題があると指摘されました。
   
    今後は、従来のインフラ競争からアプリケーション競争へと移り、カバレッジ、音声品質、持続性、信頼性
   などの競争から、モバイルインターネット、コンテンツ取り込み、カード機能、ゲームモバイルTVなどの競争へ
   移るとの見通しが示されました。
               
本ページtop
     
 2007.4.17             第41回 IP・設計委員会           JASVA通信73号に掲載

「ユビキタスブロードバンド時代のホームネットワーク」


講師: 水谷幹男氏 パナソニックコミュニケーションズ(株)
              代表取締役副社長(技術担当(CTO))


 第41回IP・設計委員会セミナーが平成19年4月
 17日(火)日本教育会館において開かれ、
  パナソニックコミュニケーションズ(株)取締役
 副社長の水谷幹男氏が「ユビキタスブロード
 バンド時代のホームネットワーク」と題して講演
 されました。

  
      内容概略は次の通りです。

第41回IP・設計委員会セミナー
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    --水谷 幹男 氏 略歴--
    ・昭和53年 松下電送機器株式会社入社
    ・平成10年 同社 取締役就任
    ・平成11年 同社 取締役 ドキュメント技術研究所所長
    ・平成13年 同社 取締役 ネットワーク・コア開発  センター所長 兼 IPコミュニケーション  事業推進部長
    ・平成13年 同社 常務取締役就任
    ・平成14年 同社 代表取締役常務就任
    ・平成15年 パナソニック コミュニケーションズ株式会社代表取締役専務就任
               ブロードバンド&ソリューション事業 センター長  兼 ネットワークテクノロジー  開発センター長
    ・平成15年 同社 代表取締役副社長(技術担当(CTO))就任 現在に至る   
       

  
  (1)世界のブロードバンドの普及状況
     ブロードバンドアクセス手段は国ごとに異なっている。世界中殆どの国においてDSLの普及率が高いが、
    米国ではCATVの普及率が一番高く、DSLは2番目となっている。日本では光ファイバの普及率が高く世界的
    に特異な存在となっている。そのため、通信速度当たりのブロードバンド料金は、日本が世界で一番安く、
    100Kbps当たり0.06ドルと2位の韓国0.24ドルに比べて桁違いに安い。他のアジア諸国も比較的低料金だが、
    欧州はドイツ2.77ドル、フランス4.12ドル、英国6.18ドルと高料金である。アメリカは1.77ドルとやや安い。
  
  (2)Web2.0系統のIPサービスの動向
     Google Earth、YOU Tube、SecondLife、Skype、Jajah、 Fon、PlaceEngine等、いろいろなWeb2.0系統の
    サービスが急速に普及しつつあり、また、ネットワークカメラが寺院、工場、駐車場、幼稚園等で導入されて
    いる。
   
  (3)IPv6の必然性
     電話、FAX、カメラ等は現行のIPv4では直接接続が困難であり、V6になって初めて真価を発揮するように
    なる。また、IP電話の設定項目がIPv4の時は7つ必要であるが、IPv6になると設定項目がひとつになる。
    そして、IPv4によるグローバルアドレスは枯渇寸前であり、今のまま推移すると2008年9月頃には枯渇する
    ことが予想される。
   
  (4)ホームネットワークの現状とコンセプト
     総務省、経産省、メーカ、サービス業者等は、ホームネットワークをベースとしたキラーコンテンツを模索
    しているが、実は探すものが違う。
     今後注目されるのは連携であり、端末ごとの個別サービスでなく宅内・宅外の端末との間の連携が期待
    される。
     ホームネットワークは端末及びサービスと連動して発展する。端末ごとの個別サービスではなく、宅内・
    宅外の端末との間の連携が期待される。
     ホームネットワークは、サービスサーバ(パブリック/プライベート)−インターネット−アクセス網(放送網、
    有線通信網、無線通信網)−ホームインフラ(ゲートウエイ、家庭内ネット(有線、無線))−ネット家電(Tナビ
    対応デジタルTV、ブロードバンド対応DVDレコーダ、白物ネット家電)という体系で構成される。
     しかし、イーサネットの配線が必要なことが普及と利用の障壁となっている(有線LANはケーブルが邪魔、
    無線LANは電波が届かない、セキュリティ不安等の問題がある)。
     これらの問題は全てPLC(高速電力線通信)で解決できる。
   
  (5)PLC(高速電力線通信)の概要と現状
     日本PLC市場規模予測(パナソニック社予測)製品への組込みが普及の鍵と見ている。
     2007年61万台、2008年184万台、2009年483万台、2010年990万台と予測。
    電力線通信の利用は、国内では屋内利用に限定して認可された(屋外はノイズ強くその緩和が困難)。
    
    PLCの利点は、既存のコンセントがそのまま利用できるので、新規の配線工事が不要であること、プラグを
    コンセントに差し込むだけで接続でき、すぐ利用可であること(プラグ&プレイ)、各家庭内の各部屋間で
    ホームネットワーク構築が可能(2階、3階でもOK)等が挙げられる。
   
    屋内限定で利用するにしてもノイズ対策が必要である。家庭内のノイズ発生源としては、テレビ、電子レンジ、
    蛍光灯、携帯電話充電器、テープルタップ等がある。また、アマチュア無線や短波放送への干渉回避も課題
    となっている。
   
  (6)PLCには次の3方式がある。
     CEPCA: 国内主要企業、フィリップス等が加盟 共存スキーム
     HomePlug:米系企業主体 シングルスタンダードを指向
     UPA: 欧州PLTユーザーグループ
    
  (7)HD−PLC機器の将来の展開予測(HD:High Definition)
     次の3段階の発展が予想される。
     ステージ1 PLC機器はパソコンの接続に使用される
     ステージ2 家電製品もPLCを通してインターネットへ簡単に接続するようになる
     ステージ3 家電製品の中にPLCがモジュールとして組み込まれるようになる
               
本ページtop
    
  2007.5.14           第42回 IP・設計委員会        JASVA通信 号に掲載

「国内外の太陽光発電市場最新情報」


講師: 石川 修 氏 (株)エム・エス・ケイ  バイスプレジデント


  第42回IP・設計委員会セミナーが、平成19年5月14日
 (月)東京都千代田区一ツ橋の日本教育会館下記で
 行われました。
  「太陽光発電市場最新情報」というテーマで、株式
 会社MSKバイスプレジデントの石川修氏にお話頂き
 ました。
 

  
      講演概要は次の通りです。 

(株)MKS 石川 修氏
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    --石川 修 氏 略歴--
   ・1970年3月 日本大学文理学部化学科卒
    ・同年      稲垣薬品(株)入社 産業廃水処理装置、排ガス除去装置の研究開発などを行う。
    ・1980年11月 (株)ミサワホーム総合研究所入社
    ・1998年4月 (株)ミサワホーム総合研究所取締役技術開発担当部長、
             太陽光発電システムの研究で「日経地球環境技術賞」受賞。       
    ・2005年4月  (株エム・エス・ケイ入社、技術開発部統括部長。
    ・2006年8月  現職:バイスプレジデント、R&D担当。
              [経済産業省:]エネルギー環境技術推進会議委員、電気事業審議会審議委員等に就任。
       

  
   太陽光発電のメリットは、地球に余計な負担をかけない、騒音もなく、排ガスも出ない等発電を行う段階で
  環境への負担をかけない、長寿命である、電力負荷の大きな昼間に発電し電力事情に適合する、
  などが挙げられる。
  
   世界の太陽電池生産量は、2005年実績で1728MW、この内、日本833MW、ヨーロッパ452MW、アメリカ154MW、
  中国120MW、台湾80MW、その他地域289MWである。
  
   これまで日本が世界に先駆けて太陽光発電を立ち上げたが、ドイツが税金面等で優遇策を導入し、急速に
  伸びて日本に追いついてきた。今後はアメリカが同様の動きを見せる可能性があり、今後の動向が注目される。
   日本は税制面での優遇策もなく当初の勢いがなくなっており、伸び悩み傾向にある。
  
   世界市場は2006年2000MW強、2010年には約5500MWとなると予測され、2015年まで年平均30%強の伸びが
  続くと予想される。これからの世界市場はアメリカの動きが鍵となる。太陽光発電の普及期は終焉を向かえ、
  これからは高品質な屋根材を普及させる時代であり、空調や給湯などとシステムを組むようになる。
   新世代の屋根建材とは住宅に求められるマルチな機能を持ったエコ屋根材である。
  
   太陽光発電のパネルは、今までは家を建てた後に屋根に取り付けていたが、これからは建材に組み込まれた
  形で使われたり、家屋の壁材に組み込まれたりして使われる。壁材に使われるタイプでは半透明のものもある。
  これからは住宅会社や屋根などの建材メーカが主役になる。
  そして、新能を持つ新建材を用いて、断熱、氷雪対策、集熱・採光・遮光等々を行うようになる。
   
    次世代エコ屋根材とは多雪寒冷地の屋根被害の解消、設計制約の解消、融雪、長寿命、発電、低維持費
  省資源、省エネ、炭酸ガス削減等を狙ったものになり、産業化していない屋根材分野に新産業が出来るだろう。
   
本ページtop
      
 2007.6.12           第43回 IP・設計委員会        JASVA通信75号に掲載

「RFID活用の現状と展望」


講師: 安永 拓見氏  (株)日立製作所 情報・通信グループ 
セキュリティ・トレーサビリティ事業部プロダクト本部 ミュー・響開発部


  第43回IP・設計委員会セミナーが、平成19年6月12日(火)
 東京都千代田区一ツ橋の日本教育会館で行われました。
 「RFID活用の現状と展望」というテーマで、
 株式会社日立製作所 セキュリティ・トレーサビリティ事業部
 プロダクト本部ミュー・響開発部 主任技師の安永拓見氏に
 講演頂きました。
 

  
      講演概要は次の通りです。 

(株)日立製作所 安永 拓見氏
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   
 --安永 拓見氏  略歴--
    ・1986年 日立製作所入社  神奈川工場(現 エンタープライズサーバ事業部)にて、 
           汎用大型コンピュータ用セラミック配線基板の製造技術開発に従事
       ・ 1996年 本社にて、新規事業の企画に従事
       ・2001年 情報・通信グループにて、企業間電子商取引サービス事業に従事
       ・2004年 トレーサビリティ・RFID事業部(現 セキュリティ・トレーサビリティ事業部)にて、 ICタグ普及のための
          「響プロジェクト」を推進 現在に至る。
      

  
  ■RFID技術活用への期待
  生活を支える「モノ」が情報通信する時代が来て、膨大な数の「モノ」が情報発信し、ネットワークで繋がるように
  なる。 そのキーとなるのがRFID(Radio Frequency Identification ICタグ)電子荷札である。
 
  ICタグの利用分野には
   ・規制対応(家電リサイクル、食品、コンテナ管理、骨髄・薬剤登録等)、
   ・効率向上(FA、書籍、航空手荷物、図書館、不法投棄等)、
   ・顧客利便性(老人介護、登下校情報、イモビライザー等)がある。
 
  RFIDの特徴は
   ・非接触(数mまで可)、
   ・環境・耐久性(汚れ、振動に強い)、
   ・複数同時読み取り(複数タグの同時読み取りが可)、
   ・書き換え可能、透過性(遮蔽物があっても認識可)などである。
  
  ICタグはパッシブ型(電池なし)とアクティブ型(電池付)があり、パッシブ型の伝送方式は電波方式(マイクロ波帯
 、UHF帯)と電磁誘導方式(短波帯)がある。
    日立の「ミューチップ」は超小型無線認識用ICを搭載、通信周波数2.45GHz(パッシブ型)、128ビットの改ざん
  不可能データ(発行可能ID数2の128乗個)等の特徴を持つICタグである。
   市場には外部アンテナ付ミューチップインレットとして提供される。
  
  響プロジェクト
    経済産業省の研究開発委託事業として2004年8月〜2006年7月に行われたプロジェクトで、その目的は、
  ICタグ低価格化のための要素技術開発、安定供給体制の確立、世界で共通使用できるICタグの開発等である。
  インレット・ICチップ仕様の概略は、使用周波数860〜960MHz、読み取り距離3m、書き込み距離1m、メモリ
  528bit(書換え可)、書き込み回数10万回以上、耐用年数10年以上などである。
  
   響プロジェクト成果の実用化検討・評価のため、書籍業界においてコミックスへのICタグ装着実験、家電業界
  において液晶テレビ、冷蔵庫などへの貼付評価および物流適用検証実験を行った。
  そして月産1億個の生産で価格5円を達成できる見通しを得てプロジェクトを完遂した。
  
  ICタグ活用事例
    愛知万博の入場券(2000万枚)にミューチップを内臓し、観客の入退場管理、パビリオン予約支援に使用され
   たのをはじめとして、以下の活用事例がある。
   
   「児童安心通学システム」
     ミューチップを埋め込んだカードで、児童の登下校情報を保護者にメール等で自動通知する。
   「電子タグを活用したe‐街案内システム調査研究会」
     電子タグを活用した街案内システムについて検討。
   「RFID搭載携帯電話によるケータイコンシェルジェサービス実証実験」
      携帯電話を使って、ホテルやアミューズメント情報や地域情報を提供する。
   「家電業界による動脈物流における電子タグ実証実験」
      企業間情報共有の有用性検証、入出荷検品業務への適用性検証。
   「アパレル分野におけるトレーサビリティ実証実験」
      スーツ、靴、ネクタイ等に電子タグをつけて流通管理情報や商品情報を提供する。
   「温度センサ付タグによる鮮魚のトレーサビリティ実証実験」
      トロ箱に電子タグをつけ鮮魚輸送時の流通履歴と輸送中の温度情報を提供。
   「電子タグを活用した家電業界における物流・金流の高度情報活用実証実験」
      家電業界では、製品の製造販売のみならず、アフターサービスやリサイクルなどサプライチェーン全体で
      一貫した電子タグの利用が期待されている。本事業では不良発生時や修理業務における電子タグの運用
      効果について実証実験を行った。
   
   新たな取り組み ― セキュア電子タグプロジェクト
    安全・安心機能(企業情報保護およびプライバシイ保護)を有する電子タグシステムの技術を開発する経産省
   のプロジェクトで、2006年8月〜2007年3月に実施した。
    その内容は、タグICチップの開発とセキュア電子タグシステム運用方式の検討・実証からなる。
    タグICチップ開発では、プライバシイ保護の技術開発、企業情報保護の技術開発がなされた。
   
    セキュア電子タグシステムでは、電子タグパスワード漏洩による不正アクセス、電子タグデータの改竄、電子
   タグデータの不正コピー等の門題がある。 セキュア電子タグシステム運用方式での問題は、セキュリティ機能
   としてはパスワード機能しかない事である。
    出版業界を例に取ると、パスワードが漏洩すると、不正者は全ての書籍(数十億冊)に対し、同じパスワードを
   使って改竄したり、無効化(KILL)したりできる。 そこでタグごとに異なるパスワードを設定し、被害の局所化を
   図った。パスワード生成処理をセキュリティモジュールの形で端末機器に実装することにより、正当な人のみが
   タグに安心してアクセスできるようになった。
     開発結果については、出版、家電、医薬の3業界において適用性の評価がなされた。
   
   最後に、日立のトレーサビリティ・RFIDソリューションの紹介があり、業界別ソリューションと業務別ソリュー
   ションをあわせて、合計125のメニューが用意されているとのことである。
     
      
 2007.7.30           第44回 IP・設計委員会        JASVA通信76号に掲載

「最新MEMSマーケット&メーカー動向」
講師: 甕 秀樹氏   産業タイムズ社「週刊ナノテク」編集長

「松下電工におけるMEMS技術への取り組み」
講師: 薮田 明氏   松下電工(株) EMITデバイス開発部 部長

 第44回IP・設計委員会セミナーが平成19年7月
 30日、 日本教育会館にて行われました。
  
 まず半導体産業新聞/週刊ナノテク編集長の
 甕(もたい)秀樹氏が「最新MEMSマーケット
 &メーカー動向」というテーマで講演されました。
  
 ついで、松下電工界MITデバイス開発部長の
 薮田 明氏が「松下電工のMEMS技術のご紹介」
 と題して講演されました。

  
    概要は次の通りです。


第44回IP・設計委員会の様子

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ーーーー
   --甕 秀樹(もたい ひでき) 氏  略歴--
    ・1990年 早稲田大学法学部卒。半導体メーカーの人事担当、半導体業界誌「Semiconductor FPD World」記者・
          副編集長を経て、
    ・2002年から産業タイムズ社にて「半導体 産業新聞」の記者に。  その傍ら2003年から「週刊ナノテク」編集長として
         同誌を立ち上げ、現在に至る。
    得意分野は記者歴12年の半導体・MEMS分野。著書に「これが半導体の全貌だ」(共著、かんき出版刊)、
    「入門ナノテクビジネス」(共著、東洋経済新報社)がある。
    
   
--薮田 明 氏  略歴--
   ・1980年に大阪大学工学部を卒業後、松下電工に入社。以下2回の米国勤務期間を除き、本社研究開発部門で、
         主に半導体・MEMS技術を応用したデバイス・IC開発に従事。現在、EMITデバイス開発部 部長。
   ・1987−1988年 スタンフォード大学 客員研究員 
   ・2002−2005年 アメリカ松下電工研究所 上席副社長

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ーーーー
  

   
  ■「最新MEMSマーケット&メーカー動向」  週間ナノテク編集長 甕(もたい)秀樹氏
  
   「MEMSとはマイクロ・ナノサイズの機械で、可動部が動くことで物理的な変化の検出など様々な機能を発揮
   するものである。
   ・半導体製造プロセスを応用するが、全く異なる工程が多い。 製造技術上の特徴は、デバイス種類や基板
    材料が多種多様(シリコン、ガラス、樹脂)、製造プロセスが標準化されていない、特殊なプロセス(シリコン
    深堀エッチング等)、特殊なパッケージ技術がある、等である。
   
   ・MEMSデバイスの市場は2005年53億ドル、2010年99億ドル、MEMSシステムの市場は2005年480億ドル、
    2010年950億ドルと予測される。2005年のMEMS材料市場は3.85億ドル、MEMS装置市場は6.31億ドルと予測
    され、2010年のMEMS材料市場は7.71億ドル、MEMS装置市場は8.61億ドルと予測される。
    
   ・近年、加速度センサの応用分野は、従来の自動車用に加えゲーム機コントローラ、デジタルカメラの手振れ
    補正、パソコンやHDD搭載デジタルビデオカメラ等における落下検知などへ拡大している。各社需要増に応じ
    て増産投資に着手、参入メーカーも急増し、価格が下落している。 
    
    MEMS発信器、MEMSマイクロホンが既存デバイスの代替として登場(ベンチャーも参入)し、またMEMS技術
    利用の半導体用プローブカードが登場している。MEMS製造に欠かせないシリコン深堀エッチング装置が、
    半導体の3次元積層パッケージ用のシリコン貫通配線形成に応用する動きあり、新規参入メーカー急増して
    いる。
     MEMSの中で最も競争が激化しているのは、加速度センサー・ジャイロセンサーであり、主要アプリは自動車
    (エアバッグ、ABS、横滑り防止システム等)だがゲーム機コントローラ(Wii、PS3が牽引)、携帯機器、パソコン
    (HDD保護のための落下検知に採用)向けなども急増している。
     
    さらに、バイオMEMSとして、バイオ、医療分野の様々な分析、解析等の効率化、低コスト化を狙ってMEMS
   技術の利用が拡大している。 家庭用ヘルスケアチップ、テーラーメイド投薬・治療等新たなマーケットも開拓
   され、燃料電池、環境分析等への展開も可能である。
   
   MEMSファンドリー事業はオムロン、松下電工、アルバック、オリンパス、大日本印刷、フジクラ、ルネサス東セミ
   コンダクタ、メムス・コア等が展開中で各社絶好調である。」
  

  
   「松下電工のMEMS技術のご紹介」 ― 松下電工 薮田 明氏
   
    「松下電工の研究開発戦略分野は、設備系システム・サービスソリューションではEMIT(Embedded Micro
    Internetworking Technology)、デバイス開発ではMEMSである。当社では1981年に半導体リレーの開発を
   スタート、1995年にMEMSの開発をスタート、2002ファンドリーサービスをスタートしている。
    
    この間、半導体リレーは5億個の累積生産、圧力センサは血圧計等に3千万個の累積生産、1軸加速度センサ
   では車載(ABS)用に150万個の累積生産実績がある。
    
    半導体リレーではシリコンV溝加工、圧力センサではダイヤフラム加工、1軸加速度センサではビーム加工、
   3軸加速度センサでは高アスペクトDRIE、チップサイズパッケージングではウエハレベルパッケージングと
   MEMS加工プロセスが開発されてきた。
    3次元マイクロ加工技術には、SOIを応用した高精度シリコン加工、シリコンDeep RIEエッチング加工による
   貫通エッチング加工、1:50の高アスペクト溝加工などがある。
   
    3軸加速度センサはゲーム、ロボット、自動車、船舶、航空機、防災・セキュリティ、モバイル機器等広い分野
   に使用される。
    また、熱励起ナノシリコン音源、超音波画像センサ、MEMSリレー、MEMSバルブ、等もいろんな分野で使われ
   るようになる。」
         
本ページtop
       
 2007.8.28           第45回 IP・設計委員会              JASVA通信77号に掲載

「大日本印刷のMEMSファンドリサービスとシリコン加工例」

講師: 鈴木浩助氏 大日本印刷株式会社 MEMS本部 本部長


  第45回IP・設計委員会セミナーが平成19年8月28日、
  日本教育会館にて行われました。
  
  テーマはMEMSのファンドリービジネスで、「大日本
  印刷のMEMSファンドリーサービスとシリコン加工例」
  と題して、大日本印刷(株) MEMS本部 本部長の
  鈴木浩助氏が講演を行いました。

  
    その内容概略は次の通りです:

大日本印刷(株) 鈴木浩助氏
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   --鈴木 浩助氏  略歴--
    1983年 大阪大学基礎工学部物性物理工学科卒、同年富士通入社、
          半導体プロセス開発・製造に従事。主にDRAM、FLASHメモリー、システムLSIの先端プロセス開発に従事。
    ・2003年 大日本印刷入社、研究開発センター電子システム研究所でMEMSプロセス開発に従事。
    ・2004年  同センター電子システム研究所所長
    ・2005年  同センターMEMSプロジェクト プロジェクトリーダ
    ・2007年  MEMS本部 本部長 現在に至る。
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ーーーー
  
  「光によるフォトマスクの限界が近づくにつれ、電子線リソグラフィー(EPL)のマスク開発が行われるようになり、
  大日本印刷(株)でもEPLの開発を始めた。 電子線を透過させるためのステンシル構造が必要となるが、
  その開発過程でMEMSの要素プロセスが開発された。 これが大日本印刷(株)のMEMSファンドリービジネスに
  参入する動機となった。
   
   1999年〜2002年、東大生産技術研究所との共同開発で、微細パターン直描用のMEMSノズルを開発した。
  ここで培われたバルクマイクロマシニング技術を基にMEMS試作サービスを始めた。
  そのうちに設計・量産に関する引き合いが増え、MEMS市場の規模も拡大してきたため、2004年11月から
  量産サービスを開始した。
  2006年にはMEMS専用クリーンルームが完成、2007年4月にMEMS本部を発足させ、量産開発ラインも完成した。
  このラインは8インチ対応、クラス10、1000、10000の分割空調を採用し、SMIF対応設備を揃え、高品質な試作・
  量産サービスが提供されるものである。
  
  同社のファンドリーサービスは、市場での製品の競合がない(同社は印刷会社であり、一般消費者向けの
  最終製品は殆ど扱っていない)、 同社と顧客の2社間のみで試作開発が可能である(秘密保持が確実)、
  設計から量産受託までトータルでサポートする、少量、単プロセス、部分プロセスも受託する、試作の場合は
  製品保証をしないが標準プロセスでの最終工程までの流動を保証する、等の特長がある。
  
  同社の技術例、加工例としては、シリコン深堀(Deep-RIE)でBoschプロセス(レシピバリエーション、
  高アスペクト比エッチング、スキャロップ低減、マイクロローディング低減、等)の採用、LP-CVD成膜、
  MO-CVD成膜、めっき成膜、シリコン貫通電極等の例が挙げられる。
  
  製品例では、3軸加速度センサー(構造シミュレーションも紹介)、マイクロ流路チップ(バイオ分野向け等、
  東大生産技術件竹内研究室と共同開発)、ダイナミックマイクロアレイチップ(細胞や粒子をアレイ状に一個
  レベルでトラップしたり、取り出したりする)、T-Junctionチップ(均一なマイクロエマルジョンを生成する)等が
  ある。
  
  同社の将来展望としては、従来の国内のみのサービス提供から、海外を含めたファンドリーサービスの拡充を
  図ること考えており、特に米国西海岸のベンチャーを相手にしたビジネスが拡大することを期待している。」   
   以上、製品や加工例の紹介にはビデオによる紹介もあって、MEMSの加工例や製品例についての説明は
   大変判りやすいものであった。
               
本ページtop
  
2007.10.16             第46回 IP・設計委員会      JASVA通信78号に掲載

MEMSセンサの携帯・ゲーム・コントローラへの応用

講師: 大内 篤氏  STマイクロエレクトロニクス株式会社
 APMグループ プロダクト・マーケティング (MEMS製品担当) 課長


  第46回IP・設計委員会セミナーが平成19年
 10月16日(火)18時〜20時に日本教育会館
 において行われました。
  
  今回のテーマは「MEMSセンサの携帯・
 ゲーム・コントローラへの応用」で、STマイク
 ロエレクトロニクス(株)APMグループ プロ
 ダクト・マーケティング(MEMS)製品担当課長
 の大内 篤氏にご講演頂きました。

  
    講演概要は次の通りです。:

第46回IP・設計委員会の様子
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   --大内 篤氏 ご紹介--
      STマイクロエレクトロニクスで、MEMS製品のマーケティング担当として  MEMSビジネスの立ち上げを担当、
     世界に先駆け、日本市場で多くの 大手カスタマーを獲得し、STマイクロエレクトロニクスのMEMS事業の拡大に
            寄与した。
       今後さらなる拡大が見込まれるMEMSマーケットで、 STマイクロエレクトロニクスがメジャー・プレーヤーとして
     の地位を獲得することを 目標として、現在も奔走している。
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ーーーー
  
  【STマイクロエレクトロニクス
    STマイクロエレクトロニクス(ST)は2006年の売り上げ98.54億ドル(1ドル117円換算で1兆1500万円)の
  世界第5位にランクされる(データクエスト社による)、グローバル半導体メーカである(ちなみに日本1の東芝は
  世界6位にランクされている)。
   地域別売り上げ比率は欧州34%、アジア(中国・台湾・東南アジア)42%、北米13%、日本5%、その他5%
  となっていて、ヨーロッパ企業でありながら世界中に満遍なく売っている。製造拠点も仏、伊、米、中国、マレーシ
  ア、シンガポール、モロッコ、マルタ等グローバルに展開している。
  
  【MEMS加速度センサの市場動向
    MEMS加速度センサは2004年から市場が立ち上がり、現在までに年率500%の高成長が続いている。
   当面はゲーム機が市場を牽引しているが、価格の急落によりマーケット分野の拡大が見込まれ、今後も
   高成長が期待されている。
  
  【STのMEMS
    STは加速度センサ、圧力センサ、ジャイロ、ゲノムチェッカ、プリンタヘッド等の製品群を有する。THELMA
   技術によりMEMS構造のセンシングエレメントをシリコンキャップで保護する(クリーンなラインでのウエハ
   張り合で実現)。MEMSセンシングエレメントと制御用ICとキャパシティブI/Fをリードフレーム上に並べて
   パッケージする構造を採用。こうすることにより分厚いメカ構造となり高性能(大きな静電容量確保、低ノイズ、
   高感度、高耐衝撃性)、高信頼性、低コストを実現している。
  
  【モバイル機器とゲーム機器向けセンサの動向
    製品のトレンドは小型化、デジタル化・高機能化が進み、デジタルI/F製品の割合が順次増大する。STの
   デジタルI/F加速度センサの特徴は、フル・デジタル処理によるローパス・フィルタでローパス・フィルタ用
   キャパシタが不要、ハイパス・フィルタで0gオフセットのドリフトを完全にキャンセル可能、柔軟なハイパス・
   フィルタ構成になっており、設定をダイナミックに変更可能等がある。
   
  【モバイル機器・ゲーム・コントローラへの応用
  (携帯電話への応用)
    ・HDDプロテクション:機器への衝撃を予知しヘッドを退避させるもの(パソコンでは落下検知センサでは
     不十分として殆ど使わず、独自のアルゴリズムを開発実装している)。
   
    ・歩数計(万歩計):日本では年配者向けが人気だが、海外ではアスリート向けのフィットネス用が主流である。
      画像の縦横回転・ブラウジング:カメラで写した画像を自動的に回転したりブラウズしたりする。
   
    ・地磁気センサの補正:GPSの標準搭載に伴い、携帯電話のナビ用に地磁気センサの搭載も増えると予測
      される。携帯電話の姿勢が一定でないため3軸の地磁気センサが必要となる。地磁気センサ補正用の
      加速度センサにも3軸が必要で、6軸センサのニーズもある。
   
    ・画像や文書のブラウジング:携帯を傾けて地図をスクロール・選択する等を行う。
   
    ・ゲーム:MEMS加速度センサを使って従来にないゲームを開発することが可能となる。
   
   (携帯ゲームへの応用)
      加速度センサ応用により、コントローラの動きを検知、傾きを検知等により直感的な動きでゲームができる
     ようになる。
   
  【MEMSセンサの今後の展開】
   ・スマートセンサ:CPU内臓化による高度な処理が可能となる、またセンサのASICの変更のみで開発ができる。
   
   ・複合センサ:加速度・ジャイロ・圧力・地磁気などを一つのパッケージに集積化し、各種パラメータの同時測定
     により、高度なセンシング機能を実現できる。この技術は人間や動物の行動モニタなどに応用できる。
   
   ・インテグレーテッドセンサモジュール:複数のセンサを集積して小型高機能センサシステムを実現できる。
      スマートセンサモジュール:センサを含めたシステム機能を集積化するものである。   
本ページtop
      
 2007.11.20           第47回 IP・設計委員会       JASVA通信79号に掲載

「ATDF 世界初のR&Dファウンドリー ビジネスモデルと開発事例」

講師: 池田 修二氏  ATDF技術担当ディレクター        


  第47回IP・設計委員会セミナーが平成19年
 11月20日(火)東京都千代田区一ツ橋の日本
 教育会館にて行われました。
  
 今回はATDF社の技術担当ディレクター
 池田修二氏を講師にお招きし、「ATDF世界初
 のR&Dファンドリービジネスモデルと開発事例」
 について講演して頂きました。
    

  
    講演概要は次の通りです。:

ATDF 池田 修二氏
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    --池田 修二氏 ご紹介--
       東京工業大学物理学士、電気工学博士取得、米国プリンストン大学電気工学修士
    1978年〜2000年    日立製作所 半導体事業部所属   SRAM, LOGIC, RF, 混載メモリープロセス開発に従事
    1978年〜2000年  トレセンティーテクノロジー   世界初の全工程枚葉プロセス開発、QTATプロセス構築
    2005年〜現在       ATDF   技術開発、新規ビジネスモデル構築、顧客開拓担当
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
  「ATDFは米国半導体コンソーシアSEMATECH(1987年設立)の子会社で、2004年7月独自に利益を追求する
  会社として独立した、世界初のR&Dファンドリー会社である。
  
   2007年中にはSEMATECHから売却される予定(11月9日現在)。半導体メーカー、装置材料メーカー、大学、
  スタートアップ企業等世界中の半導体関連組織がパートナーであり、その内半導体メーカーのパートナーとして
  はインテル、TI、サムスン、TSMC、インフィニオン、エルピーダ等の名が挙げられる。
  ATDFはこれらのパートナーに最先端の研究開発を行う場所を提供している。
  
   その保有するファシリティは5600uのクリーンルーム(内3800uはクラス1)、200台の製造装置、解析装置等
  であり、デバイス試作は今は200mmだが2007年中に300mmに切り替える予定である。
  Cu/low-k配線は300mmで試作可能であり、最大11,000ウエハ/月の能力がある。
  製造装置、プロセス、テスティング等をATDF側で日々改善している。
  
  ATDFのR&Dファンドリーの特徴は次の通りである。
    1.開発は顧客の希望するやり方で行え、自分のラインのように使える。
    2.情報は顧客がコントロールする。IP保護、開発サポートも行う。
    3.テストウエハも供給するし、ATDFの装置を使用可能である。
    4.ATDFのネットワークを通じて販売促進のサポートも行う。
  
  尚、研究成果はパートナーのみが持ち帰り、SEMATECHに対してオープンにする事は無い。
  ATDFはトランジスタ製造技術のベースラインを保有しており、パートナーはその一部を利用して開発を行うか、
  自分自身で独自のプロセスをやり、残りをATDFのベースラインでやることも出来る。
   
  装置・材料メーカーによるATDF活用例には次のものがある。
    ・TEL:1600ft2のプライベートルームを保有して新しい装置の評価等を行う
    ・Novellus:Cu/lowkの開発
    ・Mattson:Flash Annealの開発
    ・Vesta:ALDhigh-kメタルゲート  等々
  
  その他の事業として、ATDFで独自開発したプロセスの販売も行っている。さらに、テキサス州から400万ドルの
  資金援助を受けてインターンシップも実施している。これには日本の大学、企業からの受け入れも可能とのこと。
  
  ベンチャー企業によるのATDF活用事例としては、MEARS Technologies社のintegrating MST、Thunderbird
  Technologies,Inc.社のFermi-FETの開発がある。
  また、Synopsys社によるCorrugated Substrate Technology開発の例もある。

   本ページtop
       
・協会事業>部会・委員会
バックナンバー:2008年 | 2007年 |
 2006年 | 2005年 | 2004年 | 2003年